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孤高の画家・鞍掛徳磨氏は広島県北を代表する現存実力作家。当代随一の目利きといわれたあの洲之内徹の現代画廊で個展を開催し、1970年代には「安井賞候補新人展」に連続してノミネートされた実力作家であるが、その画業は今日まで広く知られていなかった。しかし、近年、その画業は大きくクローズアップされてきた。1999年には「佐藤渓」を発掘し世に送り出した湯布院美術館で個展。2000年には東京のギャラリー川船で個展を開催し注目される。
そうした状況の中、2001年の2月に柏わたくし美術館所蔵の代表作「老母」が全国紙に掲載されたところ、多くの人々が訪れ、大反響を呼び起こした。多くの美術ファンから鞍掛徳磨展開催の要望を受けて、2001年の6月に柏わたくし美術館で鞍掛徳磨展が実現した。
鞍掛作品については、現代美術資料センター主宰・笹木繁男氏の鞍掛芸術の評論は鞍掛氏のすべてを語りつくしているので紹介することにする。
鞍掛氏の絵は、ものの気配を絵画化するといった手法である。色の滲みや、変形した形態と、異なる色彩の輝きで構成された背景の中に同化し、包囲されて希薄となり混沌となるが、実態の不確実さ、曖昧さが何時の間にか現実となって観るものに迫り、観るものを釘付けにする。寡黙な中に、描くものの気迫と、ひたむきさが直接感じられるのである。時流を追わず、コレクターに媚びず、ひたすら自己の世界に沈潜し、画面も暗く沈殿して、一見救いがないが、丹念な気配りで配色された色彩は、底光りを放ち、対する者を感動に誘う。「ものの気配を絵画化する」という言葉で鞍掛芸術の本質を見事に捉えている。
卓越したデッサン力とその精神性から生み出される人物像は実在の迫力で訴えかけてくる。セザンヌ、ゴッホ、関根正二、村上槐多のように、時流に流されることなく、ひたすら寡黙に自己の歌を謳い続けてきた孤高の画家。GALLERIA・LA・VERVEは鞍掛徳磨を顕彰、応援します。
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〈略歴〉
1930年 広島県比婆郡比和町に生まれる 1950年 吉岡憲に師事 1954年 日本大学芸術学部美術科卒業 1970年 安井賞候補新人展出品。46,47,52,53同展出品 1971年 新鋭選抜展、現代日本選抜展出品 1975年 ギャラリー・ヤエスで個展。栃木県立美術館収蔵 1976年 現代画廊で個展 1991年 早稲田大学演劇博物館・出品収蔵 1999年 湯布院美術館で個展 2000年 広島県・三良坂平和美術館・出品収蔵 2000年 ギャラリー川船で個展 2001年 柏わたくし美術館で個展 2002年 GALLERIA・LA・VERVEで鞍掛徳磨・谷口仙太郎ドローイング展
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